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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻1号

2011年01月発行

文献概要

症例報告

水疱形成に乏しい妊娠性疱疹の1例

著者: 花輪書絵1 安藤典子1 原田和俊1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.8 - P.11

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要約 34歳,女性.第2子妊娠31週目より四肢に掻痒を伴う紅斑が出現した.ステロイド外用にても増悪し,妊娠35週目の当院初診時,両大腿から下腿に広がる浮腫性紅斑局面となった.左大腿内側に小指頭大の緊満性水疱を2か所伴っていた.臨床的にpruritic urticarial papules and plaques of pregnancyもしくは妊娠性疱疹が疑われた.病理組織は表皮下水疱であった.蛍光抗体直接法でC3が基底膜部に線状に沈着し,蛍光抗体間接法では表皮基底膜部にIgGが陽性であった.1M食塩水剥離ヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法ではIgGが表皮側に沈着していた.ELISA法では抗BP 180抗体が陽性であった.これらの検査所見より妊娠性疱疹と診断し,プレドニゾロン20mg/日の内服により皮疹と掻痒は改善した.女児1人を40週で正常分娩し,児に皮疹は認められなかった.

参考文献

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8) 三角修子,他:西日皮膚 66:444, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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