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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻1号

2011年01月発行

文献概要

症例報告

四肢に散在する局面型皮膚サルコイドが契機となって診断に至ったサルコイドーシスの1例

著者: 藤井弓子1 松村由美1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.22 - P.25

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要約 39歳,男性.7年来四肢を中心とした紅斑に対して他院で皮膚生検を受けずに扁平苔癬と診断されステロイド外用にて治療を受けていたが,自己判断で中止することを繰り返していた.患者によるとステロイド外用は無効であり,次第に皮疹は増加傾向にあるとのことであった.初診時には,褐色でやや表皮が萎縮傾向にあり陥凹した瘢痕局面と思われる皮疹が主に下肢に散在していた.皮膚生検では,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の所見を得,さらに胸部CTで両側肺門リンパ節腫大,ツベルクリン反応陰性と判明し,サルコイドーシスと診断した.血清アンギオテンシン変換酵素値,血清カルシウム値は正常で,心電図異常,眼症状はなかった.皮膚症状に対してトラニラスト内服を開始し,以後10か月間で,皮疹の新生を認めない.

参考文献

1) Judson MA:Clin Chest Med 29:415, 2008
2) 杉崎勝教,津田富康:内科 99:251, 2007
3) 岡本祐之:日本臨牀 60:1801, 2002
4) 福代良一,仁木富三雄:皮膚臨床 2:730, 1960

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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