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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻1号

2011年01月発行

文献概要

治療

少量シクロスポリンA内服が石灰沈着に対して有効であった小児皮膚筋炎の1例

著者: 石黒恵美子1 濱崎洋一郎1 簱持淳1 山﨑雙次1 平尾準一2

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室 2獨協医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.77 - P.82

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要約 11歳,女児.2000年1月顔面と四肢に紅斑,筋痛,関節痛が出現した.近医で筋原性酵素の上昇,筋生検等より皮膚筋炎と診断され,プレドニゾロン(40mg/日)内服,ステロイドパルスなどの治療により症状は改善した.2003年11月右肘痛が出現し,単純X線で肘関節周囲の皮下および筋膜に沿って石灰が沈着していた.当科初診時,顔面,後頸部,上肢伸側,大腿伸側に萎縮性紅斑,手指にGottron丘疹を認めた.石灰沈着の治療目的で,2005年9月より塩酸ジルチアゼムを内服したが,石灰沈着は不変であった.2006年5月よりシクロスポリンA(CyA)50mg/日の内服を開始したところ,内服後約半年から石灰沈着は徐々に縮小,消退した.CyAは,皮膚筋炎の活動性が遷延化した症例の石灰沈着に対して有効と考えられた.

参考文献

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2) 小島洋子,他:小児基準値研究班編:日本人小児の臨床検査基準値,日本公衆衛生協会,p33, 43, 83, 1997
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4) 衛藤 光:小児臨床 60:1459, 2007
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9) 高木 弘:シクロスポリンの実際:国際医学出版,p35, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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