icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

ラベンダーオイルにより生じた接触皮膚炎の1例

著者: 笹田昌宏1 近藤光一2

所属機関: 1よつば皮膚科 2あやせ駅前整形外科・内科

ページ範囲:P.755 - P.758

文献購入ページに移動
要約 13歳,男児.胸部,背部,両肩部にかけて浮腫性紅斑が出現したため翌日に当科を受診した.紅斑は帯状に分布していた.抗アレルギー剤内服,ステロイド剤外用による加療によりほぼ1週間で皮疹は治癒した.初診から2か月後に浮腫性紅斑が再び出現,紅色丘疹も伴っていた.問診の結果,初診時・再診時とも,発症直前に同一メーカーの入浴剤を使用していたことが判明し,含有成分を検討した結果,ラベンダーオイルが原因物質として疑われた.再診時には紅色丘疹の出現と紅斑の拡大を認めたため,抗アレルギー剤内服,ステロイド剤外用に加えプレドニゾロン20mgの内服により加療を行ったところ,ほぼ1週間で皮疹は治癒した.治癒後に実施した貼布試験ではラベンダーオイルが陽性を示した.さらに,入浴剤に含まれる酒石酸が接触性皮膚反応を増強した可能性を考えた.

参考文献

1) Sugiura M, et al:Contact Dermatitis 43:157, 2000
2) Brandão FM:Contact Dermatitis 15:249, 1986
3) Rademaker M:Contact Dermatitis 31:58, 1994
4) Schaller M, Korting HC:Clin Exp Dermatol 20:143, 1995
5) Coulson IH, Khan AS:Contact Dermatitis 41:111, 1999
6) Varma S, et al:Contact Dermatitis 42:309, 2000
7) Goiriz R, et al:Contact Dermatitis 57:381, 2007
8) Prashar A, et al:Cell Prolif 37:221, 2004
9) Rastogi S, et al:Contact Dermatitis 38:29, 1998
10) Rastogi S, et al:Contact Dermatitis 45:221, 2001
11) Lis-Balchin M, et al:Phytother Res 13:540, 1999
12) 能勢充彦:第9回研究成果報告書,財団法人日本食品化学研究振興財団,p34, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?