icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

蜂刺によるアナフィラキシーショックから左鎖骨下動脈狭窄症が発見された1例

著者: 岸隆行1 時田智子1 森康記1 中村明浩2 安田邦春3

所属機関: 1岩手県立中央病院皮膚科 2岩手県立中央病院循環器科 3岩手県立沼宮内病院

ページ範囲:P.759 - P.762

文献購入ページに移動
要約 54歳,男性.初診当日の朝,草刈りをしている最中にスズメバチに右耳と左下肢を計4か所刺され,近くの病院を受診した.受診時には既に血圧低下,呼吸困難感,全身の蕁麻疹などを認め,エピネフリン,大量補液,酸素投与をしたところ症状は安定した.しかし,同日夕方より再び血圧が低下したため,補液負荷,ドーパミン(DOA)投与を開始したが,血圧が上昇せず,同日深夜に当院へ救急搬送された.当科入院後,DOA 10γから15γに増量し,補液負荷(ラクテック®200ml/時)も継続し,同時にベタメタゾン(リンデロン®)4mg/日点滴静注も併用したが血圧が上昇せず,循環器科で精査した結果,左鎖骨下動脈狭窄症が発見された.当初,遅発性の反応が遷延していると考えたが,自験例のように血圧低下に比し,他の臨床症状を欠く場合には,積極的かつ緊急的に他の原因を考慮し精査する必要があると思われた.

参考文献

1) 厚生労働省:人口動態統計,1980~2009
2) 杉山大介:日臨救医誌 10:41, 2007
3) Mueller HL:J Asthma Res 3:331, 1966
4) 今村 充:総合臨床 58:868, 2009
5) Lane D, et al:J Hypertens 20:1089, 2002
6) 覚前 哲,他:心臓 18:1402, 1986
7) 川村 龍,他:茨城循環器研究会雑誌 12:39, 2005
8) 蕪木友則:日救医誌 19:930, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?