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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

急性期に多剤に対してDLST陽性を示した急性汎発性発疹性膿疱症の2例

著者: 盛山吉弘1 端本宇志1 建持敦子1

所属機関: 1土浦協同病院皮膚科

ページ範囲:P.773 - P.777

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要約 症例1:8歳,女児.咽頭痛に対して,5剤を内服した.内服24時間以内に高熱を伴い,間擦部を主体とするびまん性紅斑の上に小膿疱が多発した.白血球28,200/μl,好中球92%.薬剤中止にて,速やかに症状は改善した.発症9日後のDLSTは5剤中3剤が陽性であったが,発症38日後では,すべての薬剤がほぼ陰性化した.症例2:80歳,女性.腹痛にて他院に入院したが4日で軽快し,2剤の内服処方を受け退院となった.その18日後に,高熱を伴い全身に汎発性の紅斑が出現し,4剤が追加処方された.紅斑上に小膿疱が出現した.白血球26,100/μl,好中球95%.薬剤中止とともに,PSL 40mg/日より開始した.経過は良好で,10日間でPSL内服終了となった.発症7日後のDLSTでは6剤中5剤が陽性であったが,発症42日後にはすべての薬剤で陰性となった.2例ともに経過から,何らかの感染症がある状態での薬剤投与により,皮疹が誘発された可能性を考えた.

参考文献

1) 狩野葉子:皮膚科診療プラクティス19 薬疹を極める,文光堂,p59,2006
2) Roujeau JC, et al:Arch Dermatol 127:1333, 1991
3) Gutierrez EB, et al:Int J Dermatol 48:253, 2009
4) 塩原哲夫,他:Q & Aでわかるアレルギー疾患 4:41, 2008
5) Sidoroff A, et al:Br J Dermatol 157:989, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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