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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

両下腿の紅斑を初発症状とした皮膚筋炎の1例

著者: 伊藤星子1 小嶌綾子1 道口浩二1 笹橋真紀子1 松井美萌1 岡本英一2

所属機関: 1医仁会武田総合病院皮膚科 2医仁会武田総合病院病理部

ページ範囲:P.791 - P.796

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要約 56歳,女性.初診時,両下腿伸側に圧痛を伴う硬結性紅斑を認めた.結節性紅斑を疑い非ステロイド性消炎鎮痛薬を処方するも軽快せず,1か月後には大腿や臀部にも拡大した.少量のプレドニゾロン内服で一旦改善するも終了後に再燃および悪化し,ヘリオトロープ疹やGottron徴候が出現したため皮膚筋炎としての精査と治療を開始した.病理組織像では脂肪織炎の所見は乏しかった.プレドニゾロン内服治療によく反応し,悪性腫瘍の合併は現時点で認めていない.軽微な皮膚症状のみで初発した皮膚筋炎初期には慎重な経過観察が必要である.

参考文献

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10) Wolff K, et al(eds):Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine, Vol.Ⅱ. McGraw-Hill, New York, p1549, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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