icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

イミキモド外用が奏効した放射線角化症の1例

著者: 森志朋1 石川雄一1 赤坂俊英1

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.807 - P.810

文献購入ページに移動
要約 64歳,男性.40数年歴の放射線技師で,就業時より胃透視などの際,左手にX線被曝を繰り返しており,現在も週に数回,被曝の機会がある.1998年,左手指背の放射線角化症の診断で,腫瘍切除術および大腿から採皮し遊離植皮術を施行した.手術より約12年経った2010年3月に,左手背に角化性紅斑が出現した.紅斑部の病理組織所見では異型細胞を認め,放射線角化症と診断した.手術の同意は得られず,5%イミキモドクリームによる外用治療を開始した.約3か月で,びらん,潰瘍を生じたため,外用は中止した.中止後約3か月で手背皮膚は上皮化したため,再度,異型細胞の残存の有無の確認のため,同部位より皮膚生検を施行したところ,異型細胞は消失していた.日光角化症や基底細胞癌といった表在性皮膚悪性腫瘍に加えて,自験例のごとく,放射線角化症に対しても5%イミキモドクリームの外用治療は有効であった.

参考文献

1) 師井洋一:日皮会誌 119:2834, 2009
2) 黒川基樹,瀬戸山充:最新皮膚科学体系12巻,中山書店,p36, 2002
3) 岡崎美知治,他:西日皮膚 44:824, 1987
4) 北畠 隆,他:臨皮 19:787, 1974
5) Krawtchenko N, et al:Br J Dermatol 157(Suppl2):34, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?