icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻10号

2011年09月発行

文献概要

症例報告

胃癌術後創部に出現したMycobacterium fortuitumによる皮膚非結核性抗酸菌症の1例

著者: 角大治朗1 江藤隆史1 石川誠2 寺島裕夫2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2東京逓信病院外科

ページ範囲:P.821 - P.824

文献購入ページに移動
要約 77歳,男性.胃癌に対し幽門側胃切除術を実施した2か月後,術後創部に皮下膿瘍,創周囲に紅色局面が出現した.穿刺で膿の排出あり.病理組織学的所見では真皮に密な炎症細胞浸潤があり,類上皮細胞肉芽腫が散見された.皮疹から膿汁を採取し小川培地で培養したところ約1週間後に発育がみられMycobacterium fortuitumと同定された.レボフロキサシン(LVFX),塩酸ドキシサイクリン(DOXY)内服,スルファジアジン銀外用で皮疹は徐々に縮小し,約3か月で略治した.特に手術や外傷の既往がある患者に難治性の皮下膿瘍や皮膚症状を診たときは必ず本症を鑑別に考えて診察に臨むことが大切である.

参考文献

1) 杉田泰之:最新皮膚科学大系,14巻,玉置邦彦,他編,中山書店,p143,2003
2) 中嶋 弘(監):皮膚抗酸菌症―その臨床と本邦報告例.メジカルセンス,p12, 1998
3) 松本聡子,他:皮膚臨床 42:1857, 2000
4) 横山幸房,他:日心臓血管外会誌 34:74, 2005
5) 浅野裕子,他:Modern Media 51:125, 2005
6) 川合さなえ,他:皮膚臨床 49:479, 2007
7) Wallace RJ, et al:Rev Infect Dis 5:657, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?