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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

症例報告

高齢者に生じた亜鉛欠乏症の1例

著者: 塩田剛章1 橋本怜奈1 森布衣子1 木花いづみ1

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科

ページ範囲:P.847 - P.851

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要約 98歳,女性.2001年に脳梗塞を発症した.経口摂取が徐々に困難となり,初診の3か月前から半消化態栄養剤であるテルミール®の経口摂取が食事の中心であった.2009年3月から鼻周囲,爪囲に痂皮が付着する紅斑が出現し,その後外陰部,臀部にびらんが出現した.臨床的に典型的な皮疹,血中亜鉛値低下(8μg/dl),および亜鉛の投与により皮疹と低下していた意識レベルが速やかに改善したことから,亜鉛欠乏症と診断した.高齢者の栄養補給として最近利用されることの多い経腸栄養剤の選択方法について注意が必要である

参考文献

1) 塚本克彦,他:皮病診療 28:961, 2006
2) 花田勝美,中野 創:最新皮膚科学大系,10巻,中山書店,p106, 2002
3) 湧上 聖:臨床栄養 103:457, 2003
4) 齋藤 京,馬場あゆみ:臨皮 62:717, 2008
5) 足立香代子:臨床栄養 103:432, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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