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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

症例報告

増殖型壊疽性膿皮症の1例

著者: 神林由美1 佐々木喜教2 水芦政人1 浅野雅之1 芳賀貴裕1 奥山隆平3 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 2岩手県立胆沢病院皮膚科 3信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.853 - P.856

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要約 35歳,男性.左下腿伸側を打撲した後から毛囊炎様の皮疹が生じた.抗生物質の内服や静注,抗真菌薬の内服治療に反応せず,当科に紹介された.左下腿伸側に,径7.0×4.5cm,境界明瞭で,表面が痂皮に覆われた疣状局面を認めた.組織像は,表皮の偽癌性増殖が顕著で,好中球浸潤を主体とした膿瘍の形成がみられた.Blastomycosis-like pyodermaや増殖型壊疽性膿皮症を鑑別診断としたが,感染症が否定できず,切除,植皮した.しかし1か月後,創縁に同様な病変が再発したため壊疽性膿皮症を疑い,シクロスポリンを投与したところ著効した.健常者の疣状局面で,切除後再発しシクロスポリンに反応した点から増殖型壊疽性膿皮症と診断した.本症とBlastomycosis-like pyodermaは患者の背景,病態,治療が異なるが,臨床像が極似する場合がある.今回,治療前の鑑別が困難であった症例を経験した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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