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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

症例報告

扁桃炎を契機に急性汎発性膿疱性細菌疹を繰り返した1例

著者: 馬場慶子1 浜坂明日香1 今野信宏2 安川香菜1

所属機関: 1KKR札幌医療センター斗南病院皮膚科 2KKR札幌医療センター斗南病院耳鼻科

ページ範囲:P.857 - P.861

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要約 53歳,女性.咽頭痛に続いて手掌に膿疱が出現し,発熱と関節痛とともに急速に体幹,四肢に拡大した.病理組織学的に角層下の好中球性膿疱を認めた.急性汎発性膿疱性細菌疹(acute generalized pustular bacterid:AGPB)と診断し,抗生剤点滴(ピペラシリンナトリウム,クリンダマイシン)で発熱,皮疹,咽頭痛は改善した.2年前にも扁桃炎を契機に同様のエピソードを認め,AGPBと診断され抗生剤で治療し軽快していた.自験例は扁桃炎を契機にAGPBを繰り返した症例と考えた.Tanが提唱したAGPBは再発しないことが疾患概念であるが,過去の症例報告を検討したところ,再発症例が約25%にみられていた.疾患概念を必ずしも満たしていなくても,AGPBと診断可能な症例もあり,新たな診断基準の確立などが必要であると考えた.

参考文献

1) Tan RSH:Br J Dermatol 91:209, 1974
2) 春日井和子,他:臨皮 36:1225, 1982
3) 前田 健:皮膚臨床 27:437, 1985
4) 前田 健:皮膚臨床 29:1129, 1987
5) 山岡淳一,他:皮紀要 88:449, 1993
6) 許 郁江,他:皮膚病診療 21:625, 1999
7) 大藤玲子,他:臨皮 56:1200, 2002
8) 岸本和裕:皮膚臨床 50:371, 2008
9) 宮部千恵,他:皮膚臨床 52:715, 2010
10) 宮地良樹:皮紀要 81:401, 1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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