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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

症例報告

有茎性結節を形成した乳房外Paget病の1例

著者: 須山孝雪1 堤田新1 寺本由紀子1 山本明史1

所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科

ページ範囲:P.879 - P.882

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要約 49歳,男性.慢性腎不全で人工透析中である.3年前より外陰部に掻痒が生じていた.初診の2か月前より右陰茎基部に有茎性結節が出現し,増大したため近医を受診した.生検により乳房外Paget病と診断され,当科を紹介された.初診時,右陰囊から陰茎にかけて60×60mmの紅色局面があり,その中央に26×23mmの結節が存在した.マッピング生検でマージンを確認後,紅色局面より1cm離して切除した.センチネルリンパ節生検を施行したところ両側鼠径部に転移を認めたため,両側のリンパ節郭清術を施行した.術後1年2か月の現在,再発・転移を認めない.有茎性結節を生じた乳房外Paget病は早期から急速な増殖を示すものと考えられる.結節病変を生じた外陰部乳房外Paget病は積極的にセンチネルリンパ節生検をすべきと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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