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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻12号

2011年11月発行

症例報告

右頸部に単発した深在性エリテマトーデスの1例

著者: 上田美帆1 松村由美1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.959 - P.962

文献概要

要約 50歳,女性.初診の3年前に右頸部に皮下硬結を自覚した.近医にてクラリスロマイシン,セチリジン,トラニラスト,プレドニゾロン内服,ベタメタゾン,タクロリムス外用にて加療されてきたが,いずれも無効であり,皮膚生検にても有意な所見が得られず診断が確定しないため,当院を受診した.病理組織像では真皮から皮下組織におけるリンパ球主体の小葉性脂肪織炎を認めた.培養や特殊染色では細菌,抗酸菌,真菌を検出しなかった.MRIでは皮下脂肪織の炎症を認め,腫瘍性病変はなかった.臨床および病理組織像より深在性エリテマトーデスと診断した.深在性エリテマトーデスは顔面,上腕,大腿に発症することが多いが,自験例は頸部という非常に稀な部位に単発で生じたことによって,発症から診断に至るまで長期間を要した.

参考文献

1) Kaposi M:Pathologie und Therapie der Hautkrankheiten 2nd. Urban and Schwarzenberg, Vienna, p642, 1883
2) Irgang S:Arch Dermatol Syph 42:97, 1940
3) Fitzpatrick TB, Freedberg IM:Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine 7th ed, vol. 1, Mc Graw Hill Medical, p576, 2008
4) Ng PP:Int J Dermatol 41:488, 2002
5) Vattoth S, CuréJK:AJNR Am J Neuroradiol 30:1131, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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