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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻12号

2011年11月発行

文献概要

症例報告

耳介,鼻および気管軟骨に病変を認めた再発性多発軟骨炎の1例

著者: 加茂真理子1 白樫祐介1 藤本篤嗣1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.963 - P.967

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要約 45歳,女性.初診時,右耳輪部の発赤,耳介皮膚の肥厚を伴う左耳の変形,鞍鼻を認めた.初診の数か月前に左耳介に今回と同様の症状が出現し,2か月前には近医耳鼻科にて喉頭蓋炎と診断された.画像検査で気道軟骨,胸骨肋軟骨結合部の炎症,呼吸機能検査は閉塞性障害を示した.右耳介部の生検病理組織像では軟骨近傍の筋組織内に好中球,リンパ球の浸潤を認めた.これらの所見より,再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis:RP)と診断し,プレドニゾロン50mg内服による加療を開始したところ,約3日で症状および呼吸機能を含めた検査所見の改善が得られた.RPの好発部位のうち,気道病変は進行すると変形による気道狭窄や肺炎を生じ,致死的となる可能性がある.自験例での経過から,CTなどの画像検査と並び,呼吸機能検査がRPの気道病変の評価に有用である可能性が示唆された.

参考文献

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7) 二重隆史,他:日呼吸会誌 46:220, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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