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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻12号

2011年11月発行

症例報告

アポクリン汗囊腫の1例

著者: 神山由佳1 曽我部陽子1

所属機関: 1利根中央病院皮膚科

ページ範囲:P.973 - P.976

文献概要

要約 49歳,女性.7か月前より右上眼瞼の皮下結節を自覚し,その後わずかに増大した.初診時,右上眼瞼鼻背寄りに皮膚常色で径5mm大の弾性硬の皮下結節を触知した.病理組織学的に単房性の囊腫であり,囊腫上皮は単層から数層の円柱上皮で構成され,断頭分泌を示していた.外層には筋上皮細胞を有していた.免疫組織化学染色で囊腫壁細胞はCEA陽性,EMA陽性,GCDFP-15陽性を示し,汗腺分泌部への分化傾向を有するアポクリン汗囊腫と診断した.一般にアポクリン汗囊腫は青色や黒色調を呈することが多いが,自験例では深在性で小さな病変であったため皮膚常色を呈したと考えた.眼囲に生じた皮下結節は,本症も鑑別疾患に挙げるべきである.

参考文献

1) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,12巻,中山書店,p202, 2002
2) 佐藤恵美,他:臨皮 54:648, 2000
3) 鳥巣仁枝,他:西日皮膚 62:287, 2000
4) 深谷佳孝,他:形成外科 50:1041, 2007
5) 橋本 謙:日本皮膚科全書,第1巻,第1冊,解剖学・組織学・発生学(1),金原出版,p189, 1958
6) 梯 洋子,他:西日皮膚 51:52, 1989
7) 大西誉光,他:臨皮 50:918, 1996
8) 津田毅彦,他:臨皮 54:61, 2000
9) 佐川容子,他:臨皮 63:327, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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