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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻12号

2011年11月発行

文献概要

症例報告

若年女性に生じた原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症の1例

著者: 古舘禎騎1 大谷朋之1 小澤麻紀2 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野 2東照宮駅前皮膚科クリニック

ページ範囲:P.991 - P.993

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要約 24歳,女性.半年ほど前から左鼻根部に痤瘡様の皮疹を認め,近医で抗生剤外用,内服で加療されたが改善を認めず,徐々に拡大してきた.皮膚生検の結果,真皮全層および皮下脂肪織にかけて,異型なリンパ球がみられる密な細胞浸潤を認めており,皮膚T細胞性リンパ腫の組織像と考えられたため,加療目的に当科を紹介された.当科初診時,13×9mm大のやや境界不明瞭な扁平隆起性の紅色結節を認めた.免疫染色で原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症(境界型)と診断した.若年女性の顔面であり,根治性と整容面を考慮し,放射線治療を選択した.予定照射量(40Gy)に達する前に腫瘍が消退し,切除は行わなかった.照射終了後3か月経過するが,現在再発は認めない.本疾患の若年発症は稀であり,また結果的に根治性,整容面の双方で満足のいく結果であった.

参考文献

1) Willemze R, et al:Blood 105:3768, 2005
2) 水上潤哉,他:西日皮膚 70:282, 2008
3) 笠井麻希,他:臨皮 64:609, 2010
4) 日本皮膚悪性腫瘍学会編:皮膚悪性腫瘍取扱い規約,2版,金原出版,p183, 2010
5) 日本皮膚悪性腫瘍学会編:皮膚悪性腫瘍取扱い規約,2版,金原出版,p134, 2010
6) 加藤一郎,他:皮膚臨床 52:603, 2010
7) 廣本敦子,他:皮膚臨床 51:821, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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