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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻13号

2011年12月発行

文献概要

今月の症例

円形脱毛斑が先行した塩酸ミノサイクリンによる薬剤誘発性ループスの1例

著者: 白山純実1 辻真紀1 今中愛子1 八幡陽子1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会大手前病院皮膚科

ページ範囲:P.1022 - P.1026

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要約 47歳,男性.2002年頃から顔面の痤瘡に対し,ミノサイクリン100mg/日を断続的に内服していた.2008年1月頃から後頭部の脱毛斑と肩・頸部・膝関節に疼痛,12月頃から発熱が出現していたが自然に軽快した.2009年1月から頭部の脱毛斑が急速に拡大し40℃までの発熱が連日続くようになったため入院した.白血球減少,抗核抗体320倍,尿蛋白を認め,ミノサイクリンによる薬剤誘発性ループス(drug-induced lupus erythematosus:DILE)を疑い内服を中止したところ,症状は速やかに消失した.その後,自己判断で再度内服したところ,翌日の夜から関節痛と40℃の発熱を認めた.以上の経過よりミノサイクリンによるDILEと診断した.内服中止後,脱毛斑は徐々に軽快し,新生もなかったことから,円形脱毛斑もDILEの一症状と考えた.

参考文献

1) Sarzi-Puttini P, et al:Autoimmunity 38:507, 2005
2) Antonov D, et al:Clin Dermatol 22:157, 2004
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6) Dunphy J, et al:Br J Dermatol 142:461, 2000
7) Batchelor JR, et al:Lancet 1:1107, 1980
8) 栗田嵩史,他:帯厚医誌 12:77, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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