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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻13号

2011年12月発行

文献概要

症例報告

人工膝関節置換術後に生じ,好酸球性胃腸炎を併発した全身性金属アレルギー

著者: 濱佳世1 日野亮介1 吉岡学1 中島大毅1 中村元信1 戸倉新樹1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1027 - P.1030

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要約 73歳,女性.2009年11月コバルト/クロム合金による右人工股関節置換術,2010年3月に同金属による右人工膝関節置換術を受けた.膝関節置換術後,右下腿の腫脹が続き,術後15日目頃から下痢とともに全身の紅斑が出現した.パッチテストで,クロム,コバルト,水銀,ニッケル,人工関節の合金が陽性であった.皮膚病理所見では多数の好酸球とリンパ球の浸潤を認めた.また,上部消化管内視鏡と病理検査の結果,好酸球性胃腸炎を併発しており,全身性金属アレルギーと診断した.ステロイド全身投与のみで改善しないため,金属の経口摂取制限とクロモグリク酸ナトリウム(インタール®)の内服を併用したところ,皮疹は軽快し,順調にステロイドを漸減できた.関節置換術後の全身の紅斑,胃腸症状の併発時には,全身性金属アレルギーの診断をまず念頭に置く必要性が再認識された.

参考文献

1) 足立厚子:J Environ Cutan Allergol 3:413, 2009
2) 足立厚子,堀川達弥:臨皮 46:883, 1992
3) Kaijser R:Arch Klin Chir 188:36, 1937
4) Pigatto PD, et al:Contact Dermatitis 22:27, 1990
5) Oh HE, Chetty R:J Gastroenterol 43:741, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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