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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻13号

2011年12月発行

症例報告

特発性後天性全身性無汗症11例の臨床的検討

著者: 丸山涼子1 苅谷直之1 佐藤信之1 伊藤雅章1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.1035 - P.1039

文献概要

要約 2005年1月~2010年4月に当科を受診し,温熱発汗試験で無汗部位を確認しえた特発性後天性全身性無汗症患者11例について,患者背景,病理組織像,治療について検討した.11例の内訳は,男性9例,女性2例で,発症年齢は13~60歳(平均27.4歳)であった.11例全例にステロイドパルス療法について説明し,施行の了解が得られた患者にステロイドパルス療法を行った.汗腺に変性像を認めた2例を含め,5例にステロイドパルス療法を施行し,全例で症状が改善した.ステロイドパルス療法未施行6例のうち,2例では無治療で症状が改善し,3例は不変,1例は経過不明であった.特発性純粋発汗機能不全症(idiopathic pure sudomotor failure:IPSF)に相当すると考えられたのは4例であった.ステロイドパルス療法は無汗症に有効であると考えられた.また,今後無汗症の診断基準,治療法についてのガイドラインの作成が必要であると思われた.

参考文献

1) 岩瀬 敏:医事新報 4136:1,2003
2) 中里良彦:Annual Review神経 2006,中外医学社,p309,2006
3) 中里良彦,他:臨床神経 34:12,1994
4) 石井美奈,他:日皮会誌 110:867,2000
5) 中里良彦:神経治療 18:141,2001
6) 林周五郎,他:臨皮 61:158,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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