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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻13号

2011年12月発行

文献概要

症例報告

Melkersson-Rosenthal症候群の1例

著者: 小岩克至1 下山潔2 池澤善郎3

所属機関: 1藤沢湘南台病院皮膚科 2藤沢湘南台病院病理部 3横浜市立大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1059 - P.1063

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要約 36歳,女性.既往に18歳と28歳のときに顔面神経麻痺がある.初診の1年前より左頰粘膜・歯肉・下口唇の腫脹を自覚した.歯科を受診し,齲歯治療をしたが改善しなかった.近医皮膚科を受診し,抗アレルギー剤の処方で腫脹は改善した.しかし,その後も4~5回腫脹・消退を繰り返し,最近は抗アレルギー剤を内服しても改善しないため当科を受診した.臨床所見は上下口唇・左頰粘膜の腫脹と皺襞舌であった.下口唇から皮膚生検術を施行し,病理組織学的に血管周囲に軽~中等度に小円形細胞が浸潤しており,その一部に類上皮細胞を認めた.以上よりMelkersson-Rosenthal症候群と診断した.トラニラスト内服に反応しないため,ステロイド内服・局注を追加し腫脹は改善した.3主徴の口唇腫脹・再発性顔面神経麻痺・皺襞舌が揃い,病理組織学的に肉芽腫性変化を認めるものは比較的稀である.

参考文献

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16) Iwao F, et al:Br J Dermatol 149:222, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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