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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻13号

2011年12月発行

症例報告

多形紅斑様皮疹を呈し,非典型的な臨床経過をとった62歳男性の麻疹

著者: 笠井弘子1 甲田とも1 木花光1 下田浩輝2 長谷川毅3

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院内科 3長谷川クリニック

ページ範囲:P.1065 - P.1070

文献概要

要約 62歳,男性.3日前より39℃の発熱と肩関節痛を認め,2日前より体幹,四肢に多形紅斑を思わせる浮腫性紅斑が散発した.初診時,眼球結膜充血,口腔粘膜疹,リンパ節腫脹はいずれもなかった.入院後,結膜充血,口腔内発赤,胸水貯留,全身浮腫が出現し,プレドニゾロン投与にて軽快した.年齢および臨床所見から,本例に対し,当初ウイルス感染症は積極的に疑わなかった.入院時の血液検査で肝機能障害がみられ,ウイルス感染症も疑い,抗体価の測定により麻疹と確定診断された.非典型的経過をとる麻疹には修飾麻疹と異型麻疹があり,麻疹ワクチン接種が関与するとされる.自験例では,予防接種歴はないと推測されたが,異型麻疹に近い臨床像をとった.多形紅斑の原因検索の重要性を再認識した.

参考文献

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10) 斎藤すみ,他:皮膚 30:527, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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