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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻2号

2011年02月発行

文献概要

症例報告

下肢の皮下結節と神経症状で発症したサルコイドーシスの1例

著者: 清水純子12 澁谷倫子1 竹内綾乃1 長谷川尚3 近藤大介3 保坂聖子3 橋立英樹4 伊藤雅章2

所属機関: 1新潟市民病院皮膚科 2新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 3新潟市民病院腎膠原病科 4新潟市民病院病理科

ページ範囲:P.135 - P.139

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要約 71歳,女性.初診2か月前に両下腿に結節が出現し,その後,両下腿のしびれが出現した.皮疹は両下腿の圧痛,血管拡張を伴った多発性の皮下結節であり,リベドは認めなかった.臨床症状から皮膚型結節性多発動脈炎を疑ったが,皮膚生検で,血管周囲に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.血液検査でリゾチーム,アンギオテンシン変換酵素が上昇していた.眼科的にぶどう膜炎,隅角結節,塊状硝子体混濁,網膜血管周囲炎を認めた.神経学的に多発性単神経炎を認めた.以上の所見から,サルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン40mg/日の内服により眼所見,神経症状,皮疹は速やかに改善した.多発性の皮下結節を認め,神経症状を伴っているときにはサルコイドーシスも考え検査を進める必要があると考える.

参考文献

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16) Ichiki Y, Kitajima Y:Acta Derm Venereol 88:526, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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