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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻2号

2011年02月発行

文献概要

症例報告

瘢痕化扁平型基底細胞癌の1例

著者: 岩渕千雅子1 荻原護久1 大橋則夫1 関東裕美1 伊藤正俊1 林健2 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学第一講座 2東京労災病院皮膚科

ページ範囲:P.145 - P.148

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要約 79歳,男性.5年前から鼻根部に淡褐色斑が出現した.自覚症状はなく,数年で周辺に向かい徐々に拡大した.初診時,鼻根部に菱形の萎縮性瘢痕局面と,周囲を縁取りして粟粒大の黒色丘疹とびらんを認めた.病理組織像では,病巣中央部は線維化し,辺縁部は充実型の基底細胞癌の像を示した.瘢痕化扁平型基底細胞癌と診断したが,この病型はまれで,診断されるまで数か月あるいは数年を要し,病初期には非腫瘍性疾患と誤診されやすい.臨床上,中央部が瘢痕化し,周囲に結節病巣が残り拡大する基底細胞癌の特殊な病型を認識することは,重要と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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