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症例報告
多発した皮膚B細胞性偽リンパ腫の1例
著者: 中村善雄1 布袋祐子1
所属機関: 1荻窪病院皮膚科
ページ範囲:P.157 - P.160
文献購入ページに移動要約 76歳,男性.初診の1か月前より上肢と軀幹の計4か所に紅色結節が出現した.自覚症状はなく,虫刺症などの既往もなかった.病理組織では表皮直下にgrenz zoneを有し,真皮内にtop heavyで稠密な細胞浸潤を認めた.浸潤細胞は小型のリンパ球を中心に組織球,形質細胞,好酸球からなり多彩であった.また真皮下層では濾胞様構造もみられた.免疫染色ではCD20,CD79aなどのB細胞マーカーが濾胞内部に強く,CD3,CD4などのT細胞マーカーは濾胞周囲を中心に陽性を示した.IgH鎖の遺伝子再構成は認められず,皮膚B細胞性偽リンパ腫と診断した.皮膚B細胞性偽リンパ腫はしばしば皮膚原発B細胞性リンパ腫との鑑別が困難である.自験例ではモノクローナリティーは認めなかったものの,誘因なく多発しており,皮膚原発B細胞性リンパ腫との鑑別に特に注意すべき症例と思われた.
参考文献
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