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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻2号

2011年02月発行

症例報告

ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)によるハエ幼虫症の1例

著者: 青木馨代1 長村蔵人1 渡辺秀晃1 飯島正文1 白倉哲郎2 田中和生2

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室 2昭和大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.167 - P.171

文献概要

要約 20歳,日本人男性.ボリビアで登山中に四肢を虫に刺され,3週間後に帰国した.皮疹の多くは色素沈着を残して軽快したが,左足内果の結節は残存した.その2週間後,結節は増大し疼痛を自覚するようになった.受診時,左足内果に米粒大の紅色結節が認められ,虫刺症と皮膚二次感染の合併あるいは炎症性粉瘤を考え,フロモックス®の内服とリンデロン®VG軟膏の外用を行ったが軽快しなかった.初診から11日後,結節は大豆大に増大し,中央に小孔がみられた.小孔内に白色の物体が観察され,15mm大の虫体が摘出された.右下腿屈側にも胡桃大の紅色結節がみられたため,結節を切除したところ下床に同様の虫体を発見し摘出した.後日,虫体はともにヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)の第2齢と同定された.海外渡航歴と難治性の結節から同症を鑑別するために,同症の存在と臨床的特徴を認識しておく必要があると考えた.

参考文献

1) 秦 まき,他:MB Derma 114:110, 2006
2) 古城八寿子,他:皮膚病診療 25:891, 2003
3) Theodore JM:The fries that cause myiasis in man, U.S. Govt. print. Off., Washimgton, p98, 1947
4) 川島 綾,他:臨皮 57:1027, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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