icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻2号

2011年02月発行

症例報告

四肢遠位部に紫斑を呈した成人のヒトパルボウイルスB19感染症

著者: 池田浩之1 籏持淳1 石川里子1 石黒恵美子1 塚原掌子1 五月女聡浩1 濱崎洋一郎1 山﨑雙次1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.173 - P.175

文献概要

要約 26歳,男性.初診の5日前より四肢遠位部に小紅斑が多発し,その後38.7℃の発熱をみた.初診時,体幹に米粒大までの浸潤を触れる紅斑を認め,一部融合していた.両前腕から手背にかけて,さらに両下腿から足背にいずれも点状の紫斑が融合していた.組織学的には真皮上層の炎症性細胞浸潤,赤血球の漏出を認めた.血液検査所見では,白血球数および血小板数が減少し,異型リンパ球の出現,ヒトパルボウイルス(PV)-B19抗IgM抗体は陽性であった.本例は紫斑の分布より,papular-purpuric gloves and socks syndromeであると考えた.ウイルス感染症を疑う中毒疹で,紫斑を呈した際には,PV-B19の感染も考慮すべきである.

参考文献

1) Anderson MJ, et al:Lancet 1:1378, 1983
2) Cossart YE, et al:Lancet 1:72, 1975
3) Enders M, et al:Prenat Diagn 24:513, 2004
4) Anderson MJ, et al:J Infect Dis 9:257, 1985
5) Nathan, et al:Hematology of Infancy and Childhood 1:222, 1993
6) Seishima M, et al:Dermatology 206:192, 2003
7) Takahashi M, et al:J Cutan Pathol 22:168, 1995
8) Harms M, et al:J Am Acad Dermatol 23:850, 1990
9) Carlesimo M, et al:Dermatol Online J 12:19, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら