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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻2号

2011年02月発行

文献概要

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文献紹介 アトピー性皮膚炎患者の黄色ブドウ球菌コロナイゼーションに対する治療は,疾患重症度を軽減する

著者: 川崎洋1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.152 - P.152

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 黄色ブドウ球菌感染はアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)増悪の重要因子であるが,その治療に関しては確立されたものがなく,悩みの種である.本研究では,sodium hypochlorite(bleach)bathとムピロシンの鼻腔内塗布による複合治療を,細菌感染を伴った小児のAD患者に行い,その効果を検証した.

 1施設での二重盲検(被験者は匂いによりBleachを識別できる可能性あり)プラセボ対照無作為化臨床試験を行った.生後6か月~17歳の中等症~重症AD患者で皮膚に感染徴候のある患者31人全例に対し,セファレキシンの試験前投与を2週間行い,その後15人の治療群と16人のプラセボ群に振り分けた.治療群には0.005%のbleach bathへの入浴(週2回)とムピロシン軟膏の鼻腔内塗布(月に3クール)の治療を行い,プラセボ群にはwater bathへの入浴とペトロラタム軟膏の鼻腔内塗布を3か月間行った.観察期間中,有害事象による登録者の離脱はなかった.

参考文献

colonization in atopic dermatitis decreases disease severity. Pediatrics 123: e808-814, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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