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症例報告
インフリキシマブ投与中に生じた乾癬様皮疹の1例
著者: 北口耕輔1 大谷稔男1
所属機関: 1倉敷中央病院皮膚科
ページ範囲:P.213 - P.216
文献購入ページに移動要約 32歳,男性.乾癬や掌蹠膿疱症の既往はない.近医外科でCrohn病に対しインフリキシマブの投与を開始され,経過は良好だった.投与7か月後,足底に掻痒を伴う紅斑が生じ,次第に全身に拡大した.病理組織学的に,不全角化を伴う角質増生と表皮肥厚があり,真皮上層の血管や毛包周囲にリンパ球の浸潤がみられた.インフリキシマブにより誘発された乾癬様皮疹と考え投与を中止した.ステロイドや角質溶解剤の外用で皮疹の治療を行ったが,頭部や手掌,足底の皮疹は難治だった.インフリキシマブによる乾癬様皮疹のほとんどは投与中止により消失するとの報告があるが,症状が遷延する例が存在することも念頭に置くべきだと思われた.また,インフリキシマブの薬剤リンパ球刺激試験でS.I.値は624%と高値を示した.従来の乾癬型薬疹の原因薬と異なり,インフリキシマブの薬剤リンパ球刺激試験は薬疹の判定に有用であるのか,今後の検討を要すると思われた.
参考文献
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