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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻3号

2011年03月発行

症例報告

節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型の治療後に発症した全身性強皮症

著者: 喜多川千恵1 矢田部愛1 志賀建夫1 中島喜美子1 池田光徳1 佐野栄紀1

所属機関: 1高知大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.245 - P.248

文献概要

要約 66歳,女性.右頰部の腫脹と右鼻腔閉塞感を自覚し,当院耳鼻科を受診した.中鼻甲介に易出血性腫瘤を認め,生検および画像精査の結果,右鼻腔原発の節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal natural killer/T-cell lymphoma, nasal type:ENKL)と診断された.放射線治療および化学療法を併用し,寛解維持していた6か月後に両手指のこわばりと浮腫性硬化,Raynaud現象が出現した.抗核抗体80倍陽性.前腕,手指の病理組織像では,真皮内の膠原線維の膨化と増生を認めた.内臓病変を認めず,皮膚硬化が手指に限局していたことより,limited cutaneous systemic sclerosisと診断した.放射線治療後に全身性強皮症を発症した報告は稀ながらあり,放射線治療と全身性強皮症発症の間に何らかの因果関係が推測された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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