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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻3号

2011年03月発行

文献概要

症例報告

鼻瘤ならびに口囲の丘疹としてみられた皮膚白血病の1例

著者: 福岡美友紀1 松村由美1 宇谷厚志2 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科

ページ範囲:P.249 - P.252

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要約 84歳,女性.2000年より汎血球減少がみられ,2005年より慢性骨髄単球性白血病と診断されていたが,輸血のみの対症療法で経過していた.2009年10月頃より鼻や口周囲にかゆみを伴う丘疹が出現,次第に増悪してきたため本院を受診した.病理組織像では,真皮浅層から網状層深層にかけて密な異型細胞の浸潤を認めた.腫瘍細胞はミエロペルオキシダーゼ陽性,リゾチーム陽性,CD68陽性,CD3陰性,CD20陰性であり,慢性骨髄単球性白血病の皮膚浸潤である皮膚白血病と診断した.患者は,皮疹出現後7か月で死亡した.自験例は,鼻や下顎,口囲を中心とした顔面に限局して皮疹が出現した稀な臨床像を示した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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