icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻4号

2011年04月発行

文献概要

症例報告

急性扁桃炎を契機に,掌蹠膿疱症性骨関節炎の悪化を伴って発症した急性汎発性膿疱性細菌疹の1例

著者: 松浦英理1 速水千佐子1 土屋佳奈1 石黒直子1 小林里実2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2聖母病院皮膚科

ページ範囲:P.301 - P.305

文献購入ページに移動
要約 62歳,女性.45歳より潰瘍性大腸炎がある.初診の数年前より扁桃炎を繰り返し,4か月前より足底の膿疱と胸鎖関節痛,2か月前に膝に硬結を触れる紅斑を認めた.6日前より発熱,咽頭痛が先行し,胸鎖関節痛の増強と全身に膿疱,左下腿には結節性紅斑を疑わせる皮疹を認めた.生検で腹部の膿疱は角層下膿疱と真皮血管壁のフィブリンの析出と,周囲に好中球浸潤を,下腿の紅斑は脂肪織炎を呈した.アンピシリン点滴8日目には皮疹,関節痛ともに軽快した.抗生剤内服に変更し,3か月継続後中止したが再燃は認めていない.病巣感染としての慢性扁桃炎により掌蹠膿疱症と掌蹠膿疱症性骨関節炎を発症し,扁桃炎の急性増悪に伴い,結節性紅斑の新生と掌蹠膿疱症性骨関節炎の悪化とともに,急性汎発性膿疱性細菌疹を発症したと考えた.

参考文献

1) Tan RSH:Br J Dermatol 91:209, 1976
2) 小堀辰治:日皮会誌 79:720, 1969
3) 森 俊二,他:日皮会誌 86:671, 1976
4) Murakata H, et al:Acta Otolaryngol(Stockh) 523(Suppl):201, 1996
5) Murakata H, et al:Acta Otolaryngol(Stockh) 119:384, 1999
6) Nakamura T, et al:J Dermatol 20:763, 1993
7) 宮地良樹:皮膚臨床 27:13, 1985
8) 小林里実:口腔咽頭科 19:279, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?