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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻4号

2011年04月発行

症例報告

全身性エリテマトーデス,Sjögren症候群に合併した多発性皮膚線維腫の1例

著者: 太田美和1 笹尾ゆき1 岩原邦夫1

所属機関: 1江東病院皮膚科

ページ範囲:P.311 - P.313

文献概要

要約 56歳,女性.36歳時に大腸癌,51歳時に子宮癌の既往あり.34歳時全身性エリテマトーデス(systemic lupus erytlematosus:SLE),Sjögren症候群と診断され,現在プレドニゾロン32.5mg/日内服するも,症状は安定せず入退院を繰り返していた.約10年前より四肢,体幹に自覚症状を欠く褐色の結節が多発した.消失することなく,増加傾向にあり当科を受診した.初診時,径3~7mm大の褐色の弾性硬の結節が体幹,四肢を中心に計32個存在した.掻痒,圧痛などの自覚症状はなかった.皮膚病理組織像では真皮浅層から中層にかけて腫瘍塊が存在し,腫瘍を構成する細胞は紡錘形の核を持ち,異型性のない線維芽細胞で膠原線維の増生があった.典型的な皮膚線維腫の組織像であった.以上よりSLE,Sjögren症候群に合併した多発性皮膚線維腫と診断した.SLEとSjögren症候群の合併症例に多発性皮膚線維腫を伴った症例は稀であり,本邦2例目である.

参考文献

1) 竹村典子,他:皮膚臨床 47:1253, 2005
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8) 岡崎有貴子,他:皮膚臨床 49:621, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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