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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻4号

2011年04月発行

文献概要

症例報告

単発性reticulohistiocytomaの1例

著者: 山際秋沙1 近藤誠1 森如1 波部幸司1 磯田憲一1 黒川一郎1 水谷仁1

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.323 - P.326

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要約 1歳,男児.1か月前より左大腿に「虫刺され様」の皮疹が出現し,次第に増大したため受診した.直径1cm大の赤紫色紅斑を伴う弾性軟の皮下結節を触れ,皮膚と固着し,下床と癒着しない.全身麻酔下に一括切除.病理組織像では,核小体の目立つ腫大核と淡好酸性の豊富な胞体を有する細胞がびまん性結節状に増生し,少数の泡沫細胞や多核巨細胞を混じ,reticulohistiocytomaと診断した.関節症状などの全身症状は伴わず.虫刺症に対する肉芽腫性反応を考えた.術後は経過観察のみ行い,2年経過した現時点では再発はない.ReticulohistiocytomaはGoetteらによって3型に分類されており,その中でmulticentric reticulohistiocytosisの報告は多数みられるが,単発性のreticulohistiocytomaは医学中央雑誌での報告が6例と比較的珍しい予後良好の疾患である.

参考文献

1) Goette DK, et al:Arch Dermatol 118:173, 1982
2) 穴口 亨,他:日皮会誌 101:735, 1991
3) 森 香苗,他:皮膚臨床 41:1386, 1999
4) Orkin M, et al:Arch Dermatol 89:640, 1964
5) Tajirian AL, et al:ClinDermatol 24:486, 2006
6) Gorman JD, et al:Arthritis Rheum 43:930, 2000
7) McKenna DB, et al:Br J Dermatol 139:544, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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