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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻4号

2011年04月発行

症例報告

自然消退した原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ腫の1例

著者: 山田玉静1 松村由美1 大森勝之2 羽賀博典3 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室 2京都大学医学部附属病院臨床検査部 3北海道大学病院病理部

ページ範囲:P.343 - P.347

文献概要

要約 27歳,女性.右こめかみの単発性紅色結節を主訴に来院した.全身検索では他部位に腫瘍性病変を認めなかった.病理組織学的には中型の異型リンパ球が真皮浅層から中層にかけて稠密に浸潤し,CD4陽性細胞,CD8陽性細胞,B細胞,組織球,好酸球が混在していた.中型の細胞の一部はprogrammed cell death-1陽性であった.フローサイトメトリーではG2期の細胞を7.6%に認め,これらはCD4陽性,CD8陰性であった.T細胞受容体β鎖遺伝子再構成が陰性,γ鎖遺伝子再構成が陽性であり,原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ腫と考えた.初診の11か月後には結節は自然消退した.

参考文献

1) Gaulard P, et al:World Health Organization Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IARC Press, Lyon, p302, 2008
2) 岩月啓氏:WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学,木崎昌弘,他(編),中外医学社,p362, 2009
3) Grogg KL, et al:Modern Pathol 21:708, 2008
4) 吉成 康,八木宏明:皮膚臨床 48:1393, 2006
5) Rodriguez-Pinilla SM, et al:Am J Surg Pathol 33:81, 2009
6) 日本皮膚科学会・日本皮膚悪性腫瘍学会編:科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインII―皮膚リンパ腫,金原出版,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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