臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

特集 最近のトピックス2011　Clinical Dermatology 2011

1．最近話題の皮膚疾患

BCG接種による副反応

著者： 高山かおる¹

所属機関： ¹東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

ページ範囲：P.30 - P.35

文献概要

要約　2007年に結核予防法は廃止され，感染症法へ併合された．またBCG接種は予防接種法に取り込まれた．この再編により，生後6か月以内のBCG接種が普及し，日本での小児結核の発生は少なくなった．しかしその反面，以前より明らかに予防接種後副反応が生じることが多くなっている．副反応として腋窩リンパ節腫大，接触局所の膿瘍や骨炎，骨髄炎，皮膚結核様病変などが起こる．そのなかには致死的になる可能性のあるdisseminated BCG infection(全身性播種性BCG感染症)などの重篤なものも含まれるため，BCG副反応についてよく理解しておく必要がある．

参考文献

1) 予防接種後副反応・健康状況調査検討会：(平成19年4月1日～平成20年3月1日)．厚生省健康局結核感染症課

2) 高松　勇，他：結核 70:561, 1993

3) WHO:WHO/TB/73.98

4) 塚本文人，他：32:287, 2010

5) 森　　亨：小児科 48:2011, 2007

6) 石川豊祥，他：臨皮 29:941, 1975

7) 清水晶子，他：皮膚臨床 50:222, 2008

8) 馬場直子：日本小児皮膚科学会雑誌 26:175, 2007

9) 大島理恵子，他：皮膚病診療 32:299, 2010

10) 番場圭介，他：皮膚病診療 25:1011, 2003

11) 小森敏史，他：皮膚病診療 32:291, 2010

12) 塚本文人，他：皮膚病診療 32:287, 2010

13) Takayama K, et al:Acta Derm Venerol 88:611, 2007

14) 岩崎加代子，他：臨皮 48:653, 1994

15) 游　理恵，他：皮膚病診療 32:295, 2010