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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011 3.新しい検査法と診断法

自己免疫性水疱症の自己抗体検査の読み方

著者: 濱田尚宏1 石井文人1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.75 - P.79

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要約 自己免疫性水疱症の病因は表皮の標的抗原に対する自己抗体であり,その障害部位により多彩な症状を呈する.自己抗体検査には,患者皮膚を検体とする蛍光抗体直接法と患者血清を検体とする蛍光抗体間接法,免疫ブロット法,ELISA法などが挙げられる.天疱瘡の抗原であるデスモグレインや水疱性類天疱瘡の抗原の1つであるBP180に対するELISA法の保険収載は一般医院,診療所などでも自己抗体検査を可能にし,簡便に病勢がモニタリングできるという点でも意義深い.腫瘍随伴性天疱瘡や後天性表皮水疱症,抗ラミニンγ1類天疱瘡などにおいてもELISA法が最近開発された.一方,複雑な病態や症状を示す自己免疫性水疱症において,従来から行われている蛍光抗体法や免疫ブロット法などを組み合わせて自己抗体を検出し,病型診断に至ることは,個々の症例の治療方針や予後を考慮するうえでも依然として重要であることを認識する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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