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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011

4.皮膚疾患治療のポイント

掌蹠膿疱症の治療戦略

著者: 小林里実1

所属機関: 1聖母病院皮膚科

ページ範囲:P.98 - P.102

文献概要

要約 掌蹠膿疱症はしばしば慢性反復性皮膚疾患と捉えられるが,決して治らない疾患ではない.その発症に扁桃病巣感染や歯性病巣感染が密接に関わることが知られ,扁摘や歯科治療により皮疹が速やかに軽快する例が少なくない.また,多くの患者が掻破により皮疹の悪化を招いており,外用指導も重要である.人目にふれる手足や爪の病変は患者にとって大きなストレスとなること,合併する掌蹠膿疱症性骨関節炎も患者のQOLを大きく低下させることを認識し,病巣感染治療を軸として,紫外線療法,ビオチン療法,マクロライド系抗生剤,その他の内服療法を上手く使いこなす必要がある.合併する関節症状に対しても,皮膚科医が治療法の選択肢と適応,副作用を知り,他科との連携の中心を担うべきと考える.歯科金属アレルギーが関与する例は稀で,歯性病巣がなく,均一な小水疱が掌蹠に多発する場合に疑うとよい.

参考文献

1) Andrews G, et al:Arch Derm Syph 29:548, 1934
2) Kataura A, Tsubota H:Acta Otolaringol(Stockh)Suppl, 523:161, 1996
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5) 山本洋子,他:日皮会誌 111:821, 2001
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8) Amital H, et al:Rheumatol 43:658, 2004
9) Yoneda T, et al:J Bone Miner Metab 28:365, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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