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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011 4.皮膚疾患治療のポイント

局所陰圧閉鎖療法

著者: 佐藤智也1 市岡滋1

所属機関: 1埼玉医科大学形成外科

ページ範囲:P.121 - P.124

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要約 局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy)は創傷の表面を密閉し,内部を吸引して陰圧をかけることにより治癒を促進させる治療法である.平成22年度診療報酬改定において「局所陰圧閉鎖処置」として保険収載された.局所陰圧閉鎖療法は創収縮の促進,過剰な滲出液の除去と浮腫の軽減,細胞・組織に対する物理的刺激,創傷血流の増加,細菌量の軽減等の効果により,創傷治癒を強力に促進する.適応は「既存治療に奏効しない,或いは奏効しないと考えられる難治性創傷」であり,具体的には褥瘡,末梢動脈疾患,糖尿病性足潰瘍,外傷,胸骨骨髄炎などである.悪性腫瘍,臓器と交通している瘻孔,未検査の瘻孔,未治療の骨髄炎がある創傷は禁忌である.また出血傾向や感染徴候があるときは注意を要する.今後高齢化が進むのに伴い,創傷の治療おいてますます重要な位置を占めるものと考える.

参考文献

1) Argenta LC, et al:Plast Reconstr Surg 117(7 Suppl):127s, 2006
2) Orgill DP, et al:Surgery 146:40, 2009
3) 小川 令,Orgill DP:日形会誌 29:127, 2009
4) Ichioka S, et al:Wound Repair Regen 16:460, 2008
5) Weed T, et al:Ann Plast Surg 52:276, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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