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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011 4.皮膚疾患治療のポイント
Churg-Strauss症候群と免疫グロブリン大量静注療法
著者: 川上民裕1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.125 - P.129
文献購入ページに移動要約 Churg-Strauss症候群は先行喘息と好酸球が関与する血管炎である.最も多い症状が神経症状で,なかでも多発性単神経炎を高率に認める.治療は副腎皮質ステロイド薬がベースである.治療抵抗性神経障害に対し免疫グロブリン大量静注(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法が,2010年1月保険適用となった.400mg/kg/日を5日間投与する.皮膚科としてのIVIG治療への流れを概略した.しびれや疼痛を伴う紫斑などの皮膚症状,好酸球,IgE,ANCA測定,皮膚生検での好酸球を混じた壊死性血管炎像で確定診断し,多発性単神経炎にまずステロイドパルス療法を施行する.抗凝固薬か抗血小板薬を併用し,後療法としてプレドニゾロン0.5~1mg/kg/日を投与,好酸球数正常化を確認した後,IVIGとなる.以降,症状の再発や予防を意識してIVIGの再投与となる.今回のIVIG保険認可は,皮膚科医が本疾患に積極的に関わるチャンスである.
参考文献
1) Kawakami T, et al:Arch Dermatol 141:873, 2005
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