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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011 5.皮膚科医のための臨床トピックス
インターネット調査で判明した蕁麻疹患者の意外な発想
著者: 谷岡未樹1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
ページ範囲:P.143 - P.145
文献購入ページに移動要約 皮膚のかゆみを有している患者に対してインターネットを介したアンケート調査を行った.医療機関を受診した蕁麻疹患者の40%が,かゆみが「非常に煩わしい」と回答した.蕁麻疹患者の40%が「かゆみのために眠れない/寝付きにくい」,29%がかゆみのために「勉強や仕事の効率が落ちることがある」と訴えた.蕁麻疹のかゆみは,日常生活に大きな影響を与え,なおかつ,集中力を削ぐ原因になっていると推測された.外用薬は蕁麻疹患者の65%に処方されていた.さらに,蕁麻疹患者の85%が「外用薬の効果あり」と回答し,70%以上が「満足した」と回答した.蕁麻疹に外用薬を処方することは,その薬理学的機序とは関係なく,患者の満足度向上につながっている可能性がある.また,かゆみを抑制する薬剤について蕁麻疹患者は,1日1回の服用で眠気が少なく,かつ,かゆみの抑制効果が強く,かつ,日常生活の各場面で速やかに服用できる薬剤を希望していた.
参考文献
1) 谷岡未樹,宮地良樹:皮膚の科学 8:397, 2009
2) 谷岡未樹,宮地良樹:皮膚の科学 9:260,2010
3) 谷岡未樹,宮地良樹:皮膚の科学 9:271,2010
4) 谷岡未樹,宮地良樹:皮膚の科学 9:282,2010
5) 古江増隆:皮膚臨床 46:73, 2003
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