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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011

5.皮膚科医のための臨床トピックス

いわゆる「ラップ療法」に対する日本褥瘡学会理事会見解

著者: 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.154 - P.156

文献概要

要約 日本褥瘡学会では,「ラップ療法」をめぐり,異なる診療指針のために患者・家族に不安を与え,診療にあたる医療スタッフ間にも混乱が生じている状況を収束するために,日本褥瘡学会理事会見解を発表した.見解では,まず医療用ドレッシング材の使用が原則であることを述べたあと,褥瘡の治療について十分な知識と経験を持った医師の責任下で,患者・家族に十分な説明をして同意を得ることが担保されれば,医療用ドレッシング材の継続使用が困難な特定療養環境下における「ラップ療法」を容認する,というものである.しかし,本質的な解決は安価な医療用ドレッシング材の供給と保険制約の撤廃であるので,学会としてはドレッシング材全体に対するさらなるデータの集積と検証,厚生行政への働きかけなどにより,「ラップ療法」論議が乗り越えられる日が来ることを願ってやまない.

参考文献

1) 日本褥瘡学会編:褥瘡の予防・管理ガイドライン,照林社,東京 2009
2) 日本褥瘡学会理事会:褥瘡会誌 12(1):前付(1),2010 http://www.jspu.org/pdf/20100303.pdf
3) Toriyabe S, et al:Advances in Wound Care 12:405, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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