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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011 5.皮膚科医のための臨床トピックス

自傷への対処

著者: 羽白誠1

所属機関: 1はしろクリニック

ページ範囲:P.162 - P.164

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要約 自傷はその形状として皮膚炎や皮膚潰瘍が過度に表現されたものから,明らかな外傷とわかるものまである.その背景としてはさまざまな精神的な要因がみられる.強迫観念によるものや妄想によるもの,衝動行為としてみられるもの,うつ状態から生じるものなどのほかに,単なる無知によるものまでといろいろである.しかし注意すべき点は,虐待を鑑別することと,自殺企図として生じているものである.そのためには発疹の形状をよく観察し,行為を起こした意味を聞いてみることである.発疹の形状が自分ではできない方向や深さなどであれば虐待を疑う必要がある.死にたいという気持ちがある場合は,直ちに精神科と連絡を取り,これ以上の行為を起こさないように防止する必要がある.この2点は診療時点で見逃さないようにしたいものである.他の精神的な背景については後日専門医を紹介することで,皮膚科的な対応のみでよい.

参考文献

1) 羽白 誠:Monthly Book Derma 150:39, 2009
2) 高橋三郎,(訳),American Psychiatric Association(編):DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引,医学書院,2003
3) 日本精神科救急学会(編),平田豊明,八田耕太郎(監修):精神科救急ケースファイル,中外医学社,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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