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Derm.2011
皮膚科医の達成感
著者: 大山学1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.64 - P.64
文献購入ページに移動 先日,生体肺移植の第一人者である京都大学呼吸器外科,伊達洋至教授の特集テレビ番組を見る機会があった.伊達教授は,その道のプロでさえたじろぐような困難な手術に果敢に取り組み,その結果,ひとときも酸素を手放せないような重症の肺疾患の患者さんたちが元気になっていく.退院していく患者さんを見守る教授の目は優しく,達成感に満ちているようにみえた.テレビであるから,ドキュメントとはいえ,うまく仕上げてある部分もあるだろう.しかし,それを差し引いても感動的であった.
救急医療や移植外科は命に直接関与する度合いが強いためか,それだけ医療の成功で得られる達成感,あるいは医療者の充実感が大きいような印象をもつのは筆者だけではないだろう.この番組を見ながら,はからずしもピルツをとったりデルスコをのぞく自分の姿を思いかえした.そして,グイと肺を縫合する教授との大きな距離を感じ,われわれ皮膚科医にとっての達成感とは何なのか改めて考えた.
救急医療や移植外科は命に直接関与する度合いが強いためか,それだけ医療の成功で得られる達成感,あるいは医療者の充実感が大きいような印象をもつのは筆者だけではないだろう.この番組を見ながら,はからずしもピルツをとったりデルスコをのぞく自分の姿を思いかえした.そして,グイと肺を縫合する教授との大きな距離を感じ,われわれ皮膚科医にとっての達成感とは何なのか改めて考えた.
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