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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻5号

2011年04月発行

文献概要

Derm.2011

ある皮膚科シニアレジデントのつぶやき

著者: 松尾明子1

所属機関: 1川崎医科大学皮膚科

ページ範囲:P.109 - P.109

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 皮膚科医になって約10年,附属病院ではシニアレジデント(後期研修医)です.ざっと経過を書くと,初期研修後シニア2年目まで終了して,大学院に進学したので付属病院でのレジデント研修が中断,シニア4年として院生4年目に臨床の場に復帰して現在6年生です.以前,シニアは4年目までしかありませんでしたが,現行の研修医制度が始まって初期研修が専門医試験の研修期間として認められない科が出てきたために後期研修期間が6年間に延長されたということでした.そのせいでしょうか,テレビ番組で後期研修医とは専門医や学位のない医師と解説しており,愕然としました.旧研修世代の私はどちらもあるのですが…と声を大にするか,一生勉強だから一生研修みたいなものと呟くか,とりあえず後者で納得しています.さて,世の中では皮膚科希望の学生が多いと聞きますが,なぜか当院では他科希望も含めて皮膚科研修を選択する初期研修医が少なく,新入局員も少なく,今でもUntenなしで病棟主治医として奮闘することがほとんどであることだけを思えば…確かに1年目と同じ生活でした(一応10年目の深みをもって臨床をしているつもりではありますが).しかしこの間に大学院に進み,初期研修の頃にはアナフィラキシーを起こしそうだった基礎系の内容も,何とか理解しようともがくようになったことは私にとっては大きな変化でした.また発表の際に,日本語であれば以前のようにドキドキしながら発表原稿と資料を持って登壇することなく,発表を若干楽しめるようになってきたのは,どこかの首相ではありませんが仮免ならぬ若葉マークが外れつつあるのかもしれません.興味ある分野はもちろんですが,分野を限定することなく臨床で悩みつつも自分なりの答えをみつけた症例を毎月のように発表する機会に恵まれ(人が少ないので回転が速いのも確かですが),ありがたいことに皮膚科医として足腰をしっかり鍛えられているようです.とはいえ一応人間なので息切れしそうになることもあり,そんなときは踊って(実は皮膚科医兼hula girlだったりします)肩の力を抜いて体の足腰を鍛えながら頭をcool downして,再び楽しい「研修医」の日々が続きます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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