文献詳細
文献概要
Derm.2011
皮膚科臨床実習につきあって
著者: 藤山幹子1
所属機関: 1愛媛大学大学院医学系研究科感覚皮膚医学
ページ範囲:P.149 - P.149
文献購入ページに移動問診のあとは,カルテにそれを記載させますが,主訴を埋めるだけで一苦労.主訴は,どこに何があるかを原発疹,続発疹の用語で書くようにと指導していますが,「主訴は患者のことばで書くように言われました」と納得いかない表情をする学生もいます.しかし,「内科でもお腹が痛いとは書かずに腹痛と書くでしょう」と説明すると,「ブツブツ」を赤色丘疹と置き換えることに納得.現病歴は,さらにしつこいくらい訂正を入れます.彼らの勉強のためといいつつ,実は記録が私の名前で残るので,後日カルテを見た人に藤山が変な予診をとっていると思われたくない.また,学生はとにかく自分の体を動かさないと実習したという満足感を得られないということも,この10年強の経験でわかりましたので,KOH法やTzanck testも彼ら自身にさせるようにしています.もちろん検体は私がとりますが,その実習のために,1人の患者さんからスライド3枚分をコソコソとったりもしています.そして,見た目だけで診断をつけることができるのが,皮膚科の真骨頂でしょう.「なんでそんなに疾患を知っているんですか」と感心されたりして,皮膚科の20年選手をいったいなんだと思っているの?
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