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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻6号

2011年05月発行

文献概要

症例報告

Churg-Strauss症候群の1例

著者: 石田修一1 日野頼真1 千葉由幸1 堀内義仁1 能登俊2 竹迫直樹2

所属機関: 1国立病院機構災害医療センター皮膚科 2国立病院機構災害医療センター血液内科

ページ範囲:P.391 - P.395

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要約 65歳,男性.2008年9月に気管支喘息を発症し,ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)などで治療されていた.2009年3月初旬から発熱,前額部の紅斑,手指の感覚障害,末梢血好酸球増多を認めた.2009年3月下旬に当科受診し,病歴,現症および各種検査結果よりChurg-Strauss症候群(Churg-Strauss syndrome:CSS)と診断した.ステロイド内服により発熱,皮疹,好酸球増多はいずれも軽快した.CSSは気管支喘息の先行や好酸球増多などの特徴を有する症例に血管炎を認める全身性疾患である.診断基準には病理組織所見も含まれており,早期診断と治療によってCSSの重症化や後遺症を予防するためにも,皮膚科医の果たす役割は大きい.CSSの病因は不明であるが,気管支喘息治療に用いられるLTRAの内服やステロイドの減量などが関与している可能性も指摘されており,これらの薬剤使用歴のある症例では特に注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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