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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻6号

2011年05月発行

文献概要

症例報告

小児皮膚筋炎の1歳男児例

著者: 石川明香1 室慶直1 星野慶1 熊谷俊幸2 蒲池吉朗2

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学分野 2名古屋大学大学院医学系研究科小児科学分野

ページ範囲:P.407 - P.410

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要約 1歳9か月男児.初診の2か月前より指趾背に紅斑が出現した.近医にて接触皮膚炎と診断されステロイド外用したが改善しなかった.初診時,顔面のびまん性紅斑と耳介後部,膝蓋および全指趾背に紅色角化性丘疹が多発していた.特徴的な皮疹から皮膚筋炎と診断した.クレアチンキナーゼ,アルドラーゼはともに正常.経過中,抗TIF-1γ抗体陽性であることが判明した.治療はステロイド外用と抗アレルギー薬内服,また遮光と皮膚への刺激を避けることを指示し,おおむね皮疹のコントロールはできている.筋症状や間質性肺炎の出現なく,現在までに3年が経過している.小児では,筋症状よりも皮疹が先行することが多く,特徴的な皮疹から皮膚筋炎を疑うことが重要と考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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