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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻6号

2011年05月発行

症例報告

抗155kDa蛋白抗体陽性のamyopathic dermatomyositisの1例

著者: 松浦英理1 石黒直子1 川島眞1 濱口儒人2 藤本学2 加治賢三3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2金沢大学大学院医学系研究所皮膚科学 3小松市民病院皮膚科

ページ範囲:P.411 - P.414

文献概要

要約 27歳,女性.初診の2年前より両手指に紅斑が出現した.初診時,爪囲紅斑とGottron徴候を認めたが,そのほかの皮膚症状はなかった.右3指PIP関節背面の丘疹の生検像では,一部に液状変性と真皮上層の浮腫,血管周囲性の炎症性細胞浸潤を認めた.徒手筋力テストは5/5で筋把握痛もなく,CKは正常範囲内であった.各種腫瘍マーカー,KL-6は正常範囲内で,精査にて内臓悪性腫瘍,間質性肺炎は認めなかった.免疫沈降法で筋炎自己抗体の1つである抗155kDa蛋白抗体が陽性であり,amyopathic dermatomyositisと診断した.抗155kDa蛋白抗体陽性は悪性腫瘍合併の皮膚筋炎のマーカーと考えられる一方で,小児皮膚筋炎でも30%で陽性といわれている.自験例では小児症例ではないが,若年発症であり,悪性腫瘍の合併のない中高年のグループとも異なる可能性が推察された.

参考文献

1) 加治賢三:皮膚臨床 50:251, 2008
2) 藤本 学:皮膚臨床 50:241, 2008
3) Matsushita T, et al:J Rheumatol 34:1012, 2007
4) Sato S, et al:Arhtritis Rheum 52:1571, 2005
5) Targoff IN, et al:Arthritis Rheum 54:3682, 2006
6) Targoff IN, et al:Arthritis Rheum 54:S518, 2006
7) 加治賢三,他:日皮会誌 116:2222, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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