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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻6号

2011年05月発行

文献概要

症例報告

Malignant nodular hidradenomaの1例

著者: 大森俊1 日野亮介1 春山護人1 尾藤利憲1 中村元信1 戸倉新樹1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.422 - P.426

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要約 72歳,女性.約50年来後頸部に存在した皮下腫瘤が,半年前より急速に増大した.初診時,後頸部に約6cm大の皮下腫瘤を認め,左頸部にリンパ節を複数触知した.病理組織学的に異型上皮細胞が管腔構造,囊腫構造,角化像を示し,PAS陽性のclear cellからなる腫瘍巣も認めた.免疫組織化学的に腫瘍細胞はCK7,CEA,p53陽性であった.摘出したリンパ節においても同様の異型細胞の充実性増殖像がみられ,頸部リンパ節転移を伴ったmalignant nodular hidradenoma(MNH)と診断した.腫瘍摘出術,放射線照射,化学療法など行ったが肺・骨転移をきたし,初診1年後に永眠した.MNHの診断確定に免疫組織化学的検討が有用であると考えられた.

参考文献

清原隆宏,熊切正信:最新皮膚科学体系,第12巻,中山書店,p184, 2002
2) Ko CJ, et al:J Cutan Pathol 33:726, 2006
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8) Kazakov DV, et al:Am J Dermtopathol 31:236, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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